エピソード2
お財布をいつも探す
お金がない。お金を毎日数えている。認知を患っているお年寄りに多い行動ですが、中身を誰か盗んだという時と、お財布ごと盗まれたという時があります。
いずれも同じ。お金がらみなのですが・・・。
夕方、日も暮れ始めた頃、母が慌てて外から帰って来た。
小さなバッグ(お財布入り)を庭に置いておいたら、誰か持ってちゃったみたい。
ないのよー。
私も大変だと思い、必死に探しましたが、見つかりません。
誰か盗んだの一点張り。
そしてまた長男に矛先が。
長男は塾へ言ってますがな、お母さん!
辟易していた私ですが、結局
おまわりさんを呼べと言われたので、来てもらうことにしました。
若いおまわりさんが来て、母の話を一生懸命聞いてくれてます。
しばらくすると私が呼ばれました。
すると
”おばあちゃん、ボケてますよね。同じこと何度もいっていますし、食い違うことが多い”と。
そうなんですよ。申し訳ないですね。でもおまわりさん呼ばないと母の気がすまないものでと平謝り。
結局一緒に探してもらい、木の枝にかけてあるバッグを発見しました。
徘徊老人が多いため、一応登録しておきますと言われました。
不名誉な登録である。。が、しかし
他人から初めてボケてますよねーとお墨付き?をいただき若干嬉しかったのです。
医者に見せても、どちらにとっていいかわからない診断ばかり。
近所からは、おばあちゃんまともじゃない!なんて言われていました。
そうです。やっぱり母は、認知が進んで来ているのでした。
そして、探し物が見つかると
あっけないくらいあっさりとした反応を見せるのでした。
そこで攻めるような言葉を言えば
仕方ないじゃない!年なんだからとか、反撃がすごくなるからやめておきます。
そして、失くしたものを取り返すべく私の手からまるで猿が獲物を奪うような仕草で
バサーっと最速で取って、とっとと言ってしまうのでした。
そう言えば、申年だったわ。。。(^^;)